2016/02/20

demise

カンテラの灯り 曇った
くらんくらんと、音を立て
枯れた 野放しフラッター
完成前のオブジェクト

アンテナは折れてしまって
ふらんふらんと揺れたまま
「何でなんだ」ばかり積もった
操縦桿 錆び付いて 失態

欠片の轍を追った
泡沫の闇の下
カメラの中に映った
三千回のアスペクト

勝手な言葉のクラッカー
つらつらと束ねては
去っていったあなたの声を
搔き消してしまえばなんてさ

ふらりふらり眩む 憂いを帯びて
透明なままの僕だ

あの夜が明けるまで
あなたを探した
消えそうで確かな鼓動が
続いていく

ずっと信じていたんだ
謂れの無い言葉も
忘れてしまった思い出を
搔き集めながら

月明かりの下で
迷い続けていた
何一つ無くさずに
空っぽのまま

ゆらりゆらり揺れる 緋色の花は
この街の回路を断ち切るように
ふらりふらり眩む憂いを帯びた
透明なままの僕を笑うのだろう

あの夜が明けるまで
あなたを探した
消えそうで確かな光が
見えた気がしたよ
この夜が明ける頃
全てを許せるのかなあ
いつかまたこの場所で
あなたに会えたなら

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